おらがんまっち

館山地区 仲町

地域の紹介

 館山城の城下町として栄えた歴史ある町で、昭和の時代には館山劇場を始め、料亭、芸姑置屋、検番撞玉場、カフェなどが軒を並べ、歓楽街としての賑やかな頃もありました。現在は館山地区の商店街として、また城山を望む閑静な住宅地となっています。
 城山の麓にある上仲公園は、関東大震災前まで諏訪神社が鎮座しており、今でもその面影が残る区民の憩いの場所となっています。
 百七十五世帯ほどの人々が暮らす小さな地域ながら、何事にも子どもからご高齢の方までが一体となった交流の深さが伺える地区です。

自慢の山車

 山車は明治二十八年に地元大工の吉田竹次郎によって制作されました。山車全体に施される彫刻は、国分の名工・後藤喜三郎橘義信の手によるものです。正面中央に鳳凰を配し、高欄には龍虎麒麟、欄間に七福神、そして正面の二本柱には龍が巻きついた迫力ある彫刻が生き生きと彫られています。
 平成九年には大改修が行われ、平成二十五年には上幕と大幕が新調されました。山車人形は隣の下町区の山車人形「伊弉冉尊」と夫婦神と言われる「伊弉諾尊(いざなぎのみこと)」です。
 仲町の山車は、踊りを得意とすることから、囃子座の踊り場がたいへん広くなっています。
 お囃子は「ぴっとこ」と「しっちょめん」が中心となるため、お囃子に合うように高めの音の大太鼓をつけています。

山車新調時の設計図(館山市立博物館 蔵)

 また梶棒がよく切れるため「キリン(山車を浮かせて回転させる装置)」がついてないことや車体が低くされていることなど、特徴ある山車となっています。

●制作年:明治二十八年
●大工:吉田竹次郎
●彫刻師:後藤喜三郎橘義信
●山車額:仲町
●人形:伊弉諾尊
●上幕:鶴
●大幕:波に亀
●泥幕:波に千鳥
●提灯:巴紋に仲町
●半纏:狐面に仲町

山車新調時の彫刻案の下絵(館山市立博物館 蔵)
正面上部の後藤喜三郎橘義信による見事な彫刻

諏訪神社

関東大震災前の諏訪神社の扁額

旧鎮座地:館山市館山(現 上仲公園) 現在は館山神社に合祀されている
●祭 神 : 建御名方命 (たけみなかたのみこと)
旧別当 長福寺(仲町)
●由 緒 : 祭神・建御名方命は、武神として知られており、また農耕・狩猟の神として広く信仰を集めています。

社殿再建(嘉永五年)時の棟札

 昔は現在の上仲公園地に上町と仲町の産土神としての諏訪神社が鎮座していました。大正十二(一九二三)年に起きた関東大震災により諏訪神社が倒壊し、その後は館山神社へ合祀されました。仲町集会所には当時の諏訪神社の神社額が残っています。
 また当時の諏訪神社に施されていた安房の名工・武志流三代目武志伊八郎信秘作なる迫力のある龍や、木鼻の繊細な獅子・獏などの彫刻が、諏訪神社の別当寺であった仲町・長福寺堂内に今も大切に保存されています。

諏訪神社にあった三代伊八の彫刻

自慢の祭

伝統の踊りが自慢の仲町の祭り

 毎年八月一、二日に行われる 館山地区合同祭礼、通称「たてやまんまち」に出祭し、仲町区は区長をはじめ祭を主催し、五人の世話人達が主となり祭の準備が進められています。
 祭が近くなると、子ども達を中心に町内あげての熱心な踊りの稽古が続きます。
 祭礼時には「仲町区伝統踊り」として幾つもの踊りが披露されます。踊りのお囃子は「ぴっとこ」が基本で、昔は揃いの浴衣姿で祭を楽しんでいたそうで、小さい男の子は「ぴっとこ踊り」、女の子は「おかめ総踊り」、男女混ざっての「左官踊り、餅つき踊り、えびす鯛つり」、興にのると大人も踊る「餅つき踊り」、とりを飾る 「白狐の舞」など、他地区には見られないたくさんの演目が並びます。

独特の雰囲気の半纏の絵柄

 真夏の暑さを忘れさせる仲町区の熱演が祭に色を添え、たくさんの観客の目を多いに楽しませてくれます。
 山車には「キリン」が無く、町内の息の合った「かじ裁き」が行われ、曳き回しの時のお囃子は基本的にぴっとこ、屋台・ 四丁目ですが、仲町独自の「新式ぴっとこ」「新式四丁目」という珍しいお囃子があります。
 お囃子の音色と伝統の踊りが引き継がれる、「子どもからお年寄りまで安心して楽しめるお祭り」が仲町自慢の祭で す。

町内あげての踊りの練習
なごやかな曳き回しが行われる仲町山車

8/1・2 館山のまつり

●祭りの起源 大正三年、旧館山町(現在の青柳、上真倉、新井、下町、仲町、上町、楠見、上須賀地区)と、旧豊津村(現在の沼、柏崎、宮城、 笠名、大賀地区)が合併し館山町になったのをきっかけに、大正七年より毎年十三地区十一社が八月一日・二日の祭礼を合同で執り行うようになりました。その後、大正十二年の関東大震災により、諏訪神社(下社)、諏訪神社(上社)、厳島神社、八坂神社の四社が倒壊したため、協議により各社の合祀を決め、昭和七年に館山神社として創建されました。
 現在は館山十三地区八社として、神輿七基、曳舟二基、山車四基がそれぞれの地区から出祭しています。愛称「たてやまんまち」として、城下の人々によって伝え続けられてきた〝心のまつり〞です。

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館山市館山地区 仲町(表面) 館山市館山地区 仲町(裏面)

このパンフレットは、地域の方々からの聞き取りを中心に、さまざまな文献・史料からの情報を加えて編集しています。内容等につきましてご指摘やご意見等ございましたら、ぜひご連絡いただき、ご教示賜りたくお願いいたします。