厳島神社の湯立神事

館山市西川名にある厳島神社では、1月の第2月曜日に地元では「シオマツリ」と呼ぶ湯立神事をおこなっています。湯立とは、古来よりおこなわれていた神事で、神社の拝殿前の庭先で大釜に熱湯を湧かして、笹(竹の葉)をもって我が身や参列者に振りかける式です。巫女が神懸かりして神託を述べるために湯立をするのが本来の姿といわれているが、今は託宣に関係なく無病息災や五穀の豊穣を祈願しています。神官役が笹でまわりに振りかけ、この湯を浴びると厄払いになることから、参列者は大釜のまわりに集まり、振りかける神官役もずぶ濡れになって湯を飛ばします。終わると、各自が大釜の湯にタオルや手拭をひたし、持ち帰って家族の身体をふいて無病息災を祈るといわれています。昭和63(1988)年に館山市指定の無形民俗文化財になりました。