1番 那古寺(なごじ)

補陀洛山千手院那古寺【真言宗】千手観世音菩薩
ご詠歌「ふだらく(補陀落)は よそにはあらじ那古の寺 岸うつ波を見るにつけても」
本尊:千手観世音菩薩 那古寺は坂東33番観音札所の結願(けちがん)寺(じ)でもある。開基は行基(ぎょうき)。中興の祖は慈覚(じかく)大師。源頼朝、足利・里見・徳川氏より庇護(ひご)を受け、鶴谷(つるがや)八幡宮の別当寺でもあったが、明治維新で寺領は没収された。元禄の大地震(1703)で倒壊し、大正12(1923)年の関東大震災でも被災したが、その都度再建修理され、更に近年大修理されている。千手観音菩薩の由緒は、養老元(717)年元正(げんしょう)天皇の病気平癒(へいゆ)のため、行基(ぎょうき)が海中より上げた異木(いぼく)で千手観音像を彫り、祈祷により快癒されたことによる。本尊のほか国指定の銅造千手観音立像や、県指定の阿弥陀如来坐像・観音堂・多宝塔などの文化財がある。また境内には大蘇鉄(そてつ)や、「此(この)あたり眼に見ゆるもの皆すずし」「春もやや景色ととのふ月と梅」の芭蕉句碑をはじめ、忠魂碑その他の記念碑・顕彰碑や、元禄時代の石灯籠、その他石造物が数多くあり見逃すのはもったいない。裏山には自然林があり、山頂の「潮音(ちょうおん)台(だい)」からの展望は素晴らしい。

潮音台(ちょうおんだい)

那古寺 那古寺