4番 真勝寺(しんしょうじ)

岩峰山(いわぶさん)真勝寺 【真言宗】 如意輪観世音菩薩
ご詠歌「はるばると のぼりて見れば真しょう寺 巡礼堂もたのもしきかな」
奈良時代、光明皇后は行基(ぎょうき)に2体の如意輪観音像の彫刻を依頼し、1体は安産祈願のため奈良の帯解寺(おびとけでら)に、1体は難産救済のため立田川に流された。その1体が岡本(富浦)沖で発見され青木真(まさ)勝(かつ)が引上げて、真勝寺を建立し観音像を安置したと伝えられている。如意輪観音は6つの手を持ち安産・火除(ひよけ)・厄除(やくよけ)の観音様として信仰され、当寺には安産の絵馬がたくさん奉納されている。石段の左手には樹齢600年、幹の周囲が2.8m程の犬(いぬ)槙(まき)、右手には少し小振りの犬槙があり、「ア・ウンの細葉(ほそば)」と呼ばれている。石段の中ほどには室町初期と思われる五輪塔がある。慶安5(1652)年の六面塔は各面にそれぞれの仏具を持った地蔵菩薩(六地蔵)が彫られている。石段の手前にお地蔵様とお不動様が安置されている堂もある。観音堂の裏手には万治4(1661)年・延宝元(1673)年の住僧の墓があり、周りの崖には古いやぐらがみられる。