海恵山興禅寺 【臨済宗】十一面観世音菩薩
ご詠歌 「寺を見て 今はさかりのこうぜん寺 庭のくさきもさかりなるもの」
本尊:釈迦如来 興禅寺は鎌倉の円覚寺末で、里見氏や徳川氏から寺領を与えられていた。寺伝によれば貞和元(1345)年に夢窓(むそう)国師を開山として創建され、戦国時代に里見義弘の夫人(小弓(おゆみ)公方(くぼう)足利義明の息女)であった青岳尼(しょうがくに)を開基としたが、やがて荒廃した。延宝3(1675)年円覚寺の拙翁(せつおう)碩松(せきしょう)が再興にかかり、孫弟子無外(むがい)碩珍(せきちん)の代になって本堂が完成した。観音堂は弘化2(1845)年深名村の喜兵衛が本願人、青木村・南無谷村の大工棟梁らにより再建されたもの。堂内の厨子(ずし)は宝暦3(1753)年建立。市指定文化財としては、拙翁禅(ぜん)師(じ)が延宝3年に建立した青岳尼百年忌供養塔がある。他に享保12(1727)年に建てられた地蔵菩薩像、本堂改築などを行った9世住職孝岳(こうがく)を称えて大正12(1923)年建立された孝岳塔などがある。