富山諏訪坊福満寺 【真言宗】 福満寺観世音菩薩
ご詠歌「おもくとも かるくのぼれや富山へ 四方じょうどを見るもごくらく」
本尊:十一面観世音菩薩 天平3(731)年行基により開創された。はじめは1合目の大房(おおぼう)というところにあり、地蔵堂・子安社・蔵王権現等が祀られていた。その後焼失・再建を繰り返し、元治(がんじ)元(1864)年現在地に本堂が再建された。かつて観音堂は富山(とみさん)山頂にあって享保14(1729)年に再建され、寛政元(1789)年には仁王門と仁王像(宮谷(みやのやつ)村大仏師渡辺馬之助の作)も建立されたが、昭和30(1955)年の失火により全焼し聖観音像は焼失してしまった。現在は福満寺本尊十一面観音菩薩が観音巡礼にご開帳され、山頂には仮堂が建てられて石造の十一面観音像がお祀りされている。また、山頂にあった仁王像は平成10年に福満寺の山門に移された。富山は標高349.5m。曲亭馬琴著の南総里見八犬伝の舞台で有名だ。参道入口には大正元年の登山道標があり、「ふもとに伏姫籠穴(ろうけつ)あり」と八犬伝が宣伝されている。