16番 石間寺(せきがんじ)

石間寺(東陽山小原寺) 【真言宗】 十一面観世音菩薩
ご詠歌「石のつま 峰よりおつるたきの水 むすぶこころはすずしかるらん」
かつては嶺岡山系に連なる山の頂上にあったが火災で伽藍(がらん)を焼失し、その後観音台と称する場所に再興したという。江戸時代の元文年間にも火災があり宝暦年間に再建されたが、さらに明治33年の火災で焼失すると、同39(1906)年に同地の西福院(さいふくいん)と合併して小原寺(しょうげんじ)と改称し、翌年に再建したのが現在の観音堂である。お堂の向拝(ごはい)には龍の彫刻があり、作者は後藤義光の弟子で国分の後藤義信。小原寺(しょうげんじ)は真言宗に属し、本尊は不動明王(西福院)と十一面観世音菩薩(石間寺)。西福院の創建の年は不詳であるが、不動明王像は奈良時代の高僧良弁(ろうべん)僧正の作、十一面観音菩薩像は弘法大師の作とする伝承がある。良弁(ろうべん)僧正は、奈良時代の高僧の一人で、東大寺創建の中心人物。平塚の大山寺の創建者とも伝えられている。