金剛山慈眼(じげん)寺金蓮院 【真言宗】 十一面観世音菩薩
ご詠歌「ずんといり 見あげて見ればひしゃく(飛錫)塚 ごくらくじょうどは犬いしのどう」
本尊:大日如来 昔、伊豆から来た僧が犬に牽(ひ)かれてこの地へ来たが、犬が離れないので錫杖(しゃくじょう)を振ったところ、犬が消えたといい、そこに観音堂を建てたと言い伝えられている。本堂裏の岩山が錫杖を振ったところで飛錫塚(ひしゃくづか)と呼ばれている。堂は後年現在地へ移された。塚の上には、竜宮から上ったと伝えられる枕(ちん)字(じ)石(いし)がある。また塚の端は享保(きょうほう)19(1734)年に一石に一文字ずつ経文を書いて19,500個埋めた経塚で、石書妙経塔がある。本堂の欄間(らんま)には、二間半(14尺)の立派な龍の彫り物があり、二代目武志伊八郎の銘がある。山門を入って左側に庚申塔があり、長須賀の石工鈴木伊三郎が刻んだ肉厚の青面金剛像は力強い。近くの犬石青年館にはかつて犬石権現が祀られていた岩と洞窟がある。鉈(なた)切(ぎり)神社から僧が犬を連れて洞窟に入ったが、犬だけが出て石になった所で、犬石の地名のもとと言われている。