滝川のびゃくしん

びゃくしんはヒノキ科の植物で、宮城県以南の本州、四国、九州の海岸地帯に自生しています。「滝川のびゃくしん」は、木幡(こばた)神社北方の河岸段丘上にあります。そこは神社創建の地とされ、またビャクシンには神木としての伝承があり、地域の人々に愛護されています。
 木幡神社の縁起によれば、大化改新以前、中央政権によって地方官として任命された大伴(おおとも)氏が、安房に着任したとき、平野の中央に館をたて、ここを館野原とよび支配の中心としたといいます。そして着任地に氏神をまつり、これが神社のはじまりだとされています。
 このびゃくしんの樹齢は800年前後、幹周4m、樹高11m、枝張り東西11m・南北12mで、かたちのよい樹容をみせています。館山市指定天然記念物(昭和52年10月20日指定)