26番 小松寺(こまつじ)

檀特山小松寺 【真言宗】 聖観世音菩薩
ご詠歌「小松寺と きいてたずねきて見れば ふしぎなるものおとおう(乙王)が滝」
奈良時代の養老2(718)年に役小角(えんのおずぬ)によって創建されたといわれている。その後延喜(えんぎ)20(920)年に安房の国司小松民部正壽(まさとし)によって再建された。仁王門を入ると右手に観音堂があり、平安時代に造られた聖(しょう)観音菩薩像が安置されている。弘法大師の作と伝えられている。寺には中世以前の仏像が多く祀られ、鎌倉時代の銅造十一面観音菩薩坐像は国の重要文化財。本尊の木造薬師如来立像は平安時代の作で、県指定文化財。瀬戸浜で魚網にかかったお像だといわれている。梵鐘(ぼんしょう)も南北朝時代の作で、県指定文化財。鐘楼の木鼻彫刻は後藤義光の弟子後藤義信の作。ご詠歌にある乙(おと)王(おう)とは、小松民部正壽(まさとし)の子千代若丸の従者。寺の再建落慶法要の最中に千代若丸が天狗にさらわれ、平久里郷で変死したのを嘆いて乙王が滝に身を投げたという口伝がある。近頃は秋に紅葉狩りの人々でにぎわっている。平成20年に、霊場景観がちば文化的景観のひとつに選定された。


小松寺_夏(1:32)