現在の御船「神明丸」は昭和54年に建造された3代目。初代御船建造年代は不明だが、江戸時代までさかのぼるのではないかと思われる。新宿「神明丸」はその昔、南三社(安房神社、洲宮神社、下立松原神社)の御輿をのせて八幡宮へと渡御したという言い伝えがある。その名残から八幡神社入祭のとき、まず安房神社遙拝殿へ向かうという仕来りを引き継いでいる。船の後部には七つの武具が飾られ、段違いの唐破風屋根の正面には堂々とした竜の彫刻が施されている。彫刻は後藤喜三郎橘義信。白木造りの御船と藍染め地に波を施した襦袢の氏子たちとの調和が美しい。9月の「やわたんまち」で見ることができる。