後藤利兵衛橘義光(初代後藤義光)
祭りにはさまざまな楽しみ方がありますが、山車や神輿に掘りこまれた彫刻に注目してみるのも楽しいものです。これらの多くは、明治から昭和にかけて活躍した房州後藤流とよばれる彫物師の作品です。房州後藤流とは、安房三名工の一人に数えられる初代後藤義光を元祖とする流派のこと。ダイナミックな表現が特徴で、躍動感あふれる龍の彫刻を得意としました。
初代義光は宮彫師として相模国で活躍。その後生まれ故郷である千倉に拠点を移し、安房を中心に数々の神社仏閣の彫刻を手掛けました。多くの門人を育成したことでも知られ、なかでも幸吉郎義信、利三郎義久、庄三郎忠明、善三郎義信の4人は特に評価が高く、彼らはのちに「四天王」とよばれます。初代義光の直系は5代目まで続きました。
これまで、この房州後藤流の彫刻はあまり注目されていませんでしたが、近年では調査も進み多くの彫刻の作者が特定されつつあります。機会があれば、ぜひじっくりと眺めてみてください。
武志伊八郎信由(初代伊八)
1751年(宝暦元)~1824年(文政7)
鴨川出身の彫刻家。波の表現を得意とし、波の伊八の異名をもちます。
彫工伊八 / 伊八気質でまちづくり / 一般社団法人波の伊八鴨川まちづくり塾 公式ウェブサイト
武田石翁
1779年(安永8)~1858年(安政5)
旧三芳村本織生まれ。多くの石仏や狛犬、宝塔などを手掛けました。