ナマダとは、鋭い歯でイセエビなどを食い荒らす海のギャング、ウツボのことです。ナマダ漁は、沖合い1kmほどにエサになる大イワシを入れた竹カゴを仕掛けます。体長1m、重さ2kgほどのウツボが一カゴに10匹前後、1日の漁で100匹前後が水揚げされます。
漁港で頭を切り落とし、背開きにされ、一晩塩漬けにします。早朝3時半頃に竹竿に吊るされ、半日ほど天日に干して出来上がります。細く切り、鍋に入れたり焼いて食べるなど、まだら模様のグロテスクな姿に似合わず、なかなかの珍味として人気があります。もともとウツボを食用にするのは、九州・土佐・南紀白浜・鳥羽あたりが中心ですが、黒潮流域に沿って伝えられた漁具漁法とともに、食習慣も伝えられたということです。
館山市最南端の相浜漁港付近の冬の風物詩