小原の鎮守。「若一王子明神」は紀州熊野大社に祭られる神で、「にゃくいちおうじ」と読むことが多く、本来は「わかいちおうじ」と読みます。中世に熊野権現が各地に祀られるようになり、天照大神を祭神とすることが多いが、ここではその父イザナギを祭神にしています。房総に多い熊野信仰の一つですが、若一王子を中心に祀るのはこのあたりでは少なく、別に「若女一王子」「若宮王子」「若王子」などとも呼びます。南房総市富浦町八束地区に多い若王子の名字は、この信仰と関係があるのかもしれません。境内に安政4(1857)年の手水石と日露戦役の従軍記念碑があります。小原からの従軍者は11人でした。